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             広島市中央卸売市場 中央市場

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コンセプト

社長メッセージ(代表取締役社長 佐々木 猛

店内イメージ2024年度 広島魚市場株式会社の経営方針について

令和6年1月末の試算表における前年比は、売上高 11,582百万円(前年比 0.4%増)、営業利益97百万円(68.8%増)で推移しております。

   令和5年度の一年間を振り返ってみると、3年余り続いたコロナ禍も、5月にはウィルスの5類への変更により、行動制限が完全に撤廃されました。その結果外出機会の復活やインバウンド需要の拡大、官民を問わず各種イベントの再開など、個人消費を喚起する動きが活発化し、当地広島においてもそれらの賑わいが復活しました。一方、食品やエネルギーなど生活必需品の値上げにより、昨年12月末時点では21か月連続実質賃金がマイナスとなっています。物価高により、年金生活者を含めた一般市民の財布の紐はますます固くなり、スーパー、コンビニ、DS、ドラッグなど小売業界での価格競争が熾烈化しているようです。

   今春闘では、大手企業を中心に人材確保を見越した満額回答が続く一方で、その分中小零細企業にとって採用難、人手不足の問題も深刻化しております。これからも18人口が確実に減少して行く中で、環境変化に対応して事業を継続し発展させて行くためには、世間水準以上に賃上げを可能ならしめる経営戦略とその確実な実行、それと並行して新規就労者にとって魅力的な新事業分野の開拓が不可欠であると考えています。

   当社におきましては、令和5年度の昇給において、定期昇給とベースアップ合わせて4.2%アップの平均賃上げ(約1万円)を実施し、この6年度においても同程度の賃上げを行います。幸いコロナ明け以降、当地広島においてはG7サミット開催効果もあり海外からの観光客がコロナ前を上回る程増加し、外食やホテル需要の増加という追風となり、賃上げによるコストアップを吸収できそうな状況で推移しています。このことは、そのようなフォローの環境変化と同時に、役職員一丸となった皆さんの頑張りの結果得られた成果であることに異論はないと思っています。
 
   また人手不足・採用難については、最近発表されたリクルートワークス研究所の調査によると、2040年に日本では1,100万人の働き手が不足するという予測があります。不足率20%を超える都道府県が18ある一方で、東京だけが供給過多(8.8%余る)という予測です。今後ますます東京・首都圏一極集中が進むという、まさに日本経済にとって「疲弊する地方」と言う問題は国難の様相を呈して来ています。 

   当社が生業(なりわい)の糧としている水産物は、近年国内より海外マーケットにおいてその需要が高まっております。中でも「少々高くても美味しい魚を食べたい」という需要は、国内より海外で大きな高まりを見せており、日本が培ってきた鮮度の良い高品質な魚を漁獲し流通させるノウハウや卸売市場を含めたインフラは、水産物輸出においても競争力となっています。特に直近の150円を超える円安という状況は、漁獲量の減少という逆風の中にあっても、輸出にとってフォローの風となっております。

   令和6年度におきましては、地盤である広島市中央卸売市場の卸として、市場内の仲卸様、買参人様の日々の需要に対応する本来の仕事を基軸としながら、首都圏は言うに及ばず、北は北海道、東北から南は九州、沖縄に至る国内マーケットの新規顧客開拓を深耕させてまいります。加えて台湾、香港、シンガポール、その他成長著しいタイ、ベトナム等の東南アジア圏への輸出も強化いたします。そのためにはオリジナリティーのある商品開発が不可欠であり、冷凍、チルドを問わず、子会社のフレッシュヒロウオ鰍フ2工場を含めた自社工場、そして提携先や委託先の工場との協力体制も踏まえ、商品力の強化を進めてまいります。

   その他、令和5年度に江田島市の深江湾で、同所の漁業者に業務委託する形でバスケット方式によるシングルシードの牡蠣養殖をスタートさせ、春に発足後1年が経過しようとしております。この間の彼ら(深江漁協 昭栄丸 小林兄弟)の試行錯誤の積み重ねにより、厳しい道程ながらも、目指している高付加価値な広島県産牡蠣の生産に一応の目途が付いてきました。生食用カキの輸出向けだけでなく、国内のオイスターバーなどハイグレードな飲食店、さらにはECでの販路拡大も視野に、今まで進めて来た冷凍の殻付き・むき身・カキフライに加えて、牡蠣事業における軸足を深化させてまいります。

   人材採用につきましては、前述したような、長期的に国内は18歳人口の著しい減少が明確な中で、円安と言う逆風な環境下にあっても、まだ国によっては意欲と将来性のある有能な若い働き手の確保が可能であると思います。国の制度である「特定技能」を活用し、令和6年度のできるだけ早い時期に、具体的なアクションを起こしていきたいと考えているところです。もちろん言葉の問題や生活習慣の違い等、克服すべき課題はあるものの、長い目で有能な若年労働者の確保を考えた時、当社に限らず日本の中小企業の多くが避けて通ることのできない選択肢ではないかと思います。それらの採用と定着を通して、会社のダイバーシティ化も進めて行きたいと考えており、社員の意識改革の一助とするため、社員の海外体験の機会も増やして行きたいと思います。

   最後に広島市場の建替えについて、今年がまさに正念場であり、今回の建替えにより広島市場の将来が今までの右肩下がりの、長期継続的な衰退から脱却できるか否かの分水嶺にあると考えています。以前からお話ししている通り、@ 広島市場は24万uという広大な敷地面積と、A この水産棟3階事務所の眼前に見渡せる厳島神社がある宮島とそれを含む広島湾の多島美、この二つが当市場の最大の経営資源であります。この二つの経営資源を最大限に生かして、一つ目は余剰地の活用により物流拠点としての機能集約が図れるか、二つ目は素晴らしい眺めのロケーション価値を生かした新たな賑わい施設の創設です。正念場とは、それら新規事業の具体的な計画を立案するタイムリミットが今年度中であることを意味しています。

   色々申し述べましたが、それらの新規事業等により得られる成果云々は、全て「人」がどう考えてどう実行したかの結果であります。決して短兵急に結果を求めることはしませんが、時間はかかっても最終的な成果を得るためには、日々の現場で奮闘していただいている、役職員のモチベーションの維持、向上が図れるような経営方針の立案と実行しかないと考える次第です。

















                               
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